年金は本当にもらえるの?払い損?年金の良いところを正しく知ろう

あなたは「年金」についてどんなイメージを持っていますか?

「頑張って払っても、自分がもらう時代になったときにはどうせそんなにもらえない」
「毎月支払うのはなんとなく損…」
「そもそも良い印象も悪い印象も持っておらず、”そういうもの”として捉えている」

このように、どちらかというと後ろ向きなイメージを持っている人が多いかもしれません。
今回は、年金に対して後ろ向きなあなたに向けて「年金の良いところ」を紹介していきたいと思います。「年金を払うことには意味がある」ということを理解することで、プラスのイメージを持ちながら払っていくことができるでしょう!

それでは具体的な話に移っていきます。

そもそも年金にはどんな機能があるのか

「支払う額よりも受け取る額の方が少ない」というのが年金に対する一般的なイメージですが、これは年金の機能の一つ「老齢年金」に関わってくる部分に過ぎません。
実はこの「老齢年金」以外にも、年金は下記のとおり2つの機能を持っているのです。

1.遺族年金

夫婦で年金を払っていた場合、配偶者が亡くなったときに残された人に対して支払われる年金

2.障害年金

年金を払っていた人が重い障害を負った時に支払われる年金

老齢年金と合わせて、3つの機能が一つになっているのが「年金」なのです。老後の貯蓄機能・死亡したときの保険機能・障害を負ったときの保険機能。これらすべてを満たしている年金ですが、多くの人は老齢年金のみに目が向いてしまい、後の2つは見落としがちです。

特に遺族年金などは、受け取れる額※のことを考慮するとそこそこ大きな保証となります。残された家族のことを考えると、それだけで充分に支払う理由は生まれてくるでしょう。

しかし、遺族年金や障害年金は未納期間が長くなっていると受け取ることができません。そういったリスクヘッジの観点から考えると、「やっぱり年金は払っておいたほうがいいよね」という話に繋がっていきます。

※子のいる夫または子のいる妻が受けるとき→1,005,600円(月額83,800円)
子が受けるとき→ 780,900円(月額65,075円)
出典:日本年金機構

老齢年金を支払うメリットとは

ここまで年金が有する3つの機能について説明してきましたが、それでも一番意識と注目が集まるのは「老齢年金で老後どれだけの額がもらえるのか」という点です。

特に今の若い年齢の人たちは、自分が払った額よりも受け取る額の方が少ない”払い損”の時代に生きていると言われています。統計的には、「58歳より下の世代は払った額よりも受け取る額の方が少なく損になる」との結果が出ているのが実情です。

しかしこの結果はあくまでも「平均寿命まで生きて年金を受け取った場合」の話。
ここで一つ考えてみてください。

年金の最大の長所はなんだと思いますか?

それは、「年金は死ぬまで受け取り続けることができる」ということです。
何歳までという上限はありません。90歳で打ち止めになるということもありません。世の中には、「年金は払わないで自分で貯めた方がマシだ」とう意見もありますが、自分で持っているお金は使い方によってはいつか尽きてしまうものです。

この具体的な数字について、国民年金を例にして考えてみましょう。
・20歳から60歳まで満額支払うと想定→トータル約800万円の支払い
・65歳から受け取ることを想定→年間約80万円の受給
この例だと、約10年で元が取れる計算になります。つまり、75歳でペイできるということです。
※2021年現在の年金受給額を想定した場合

平均寿命まで生きることができず、老後の貯蓄を使わなかったとしたら「それはそれでよかったね」という話なんです。大事なのは、老後というお金を手に入れる術がない年代でどうやって生活を続けていくのか、という視点に尽きます。

そのなかで「何歳まで生きたとしても国がお金をくれる」というのは非常に大きなメリットですよね?長生きそのものが老後のリスクであるとも言われていますが、そういう意味では、最低限の保証を国がしてくれる年金というシステムは非常に心強いものです。

最低限の生活を保証する年金をバネにして貯蓄にエネルギーを

今回は年金のシステムやメリットについて話をしてきました。年金は死ぬまでお金を受け取れるセーフティーネットシステムとして有用です。

年金だけで「自分が望む老後の生活」を送ることはなかなか難しいものですが、最低限の保証を国が担保してくれているからこそ、貯蓄部分については「自分で頑張って貯めていこう」と前向きな気持になれるのではないでしょうか?

この点を理解して年金を払っていくのは意外と気持ちのいいものです。年金に対して前向きな気持ちを持っていきましょう!