「共済組合から親展のハガキが届いたけど、正直よく分からない」
「たぶん年金の話だろうけど、退職はまだ先だし……」
「とりあえず開封して、そのまま引き出しへしまってしまった」
毎年5月~6月ごろ(時期が異なる組合もあります)、共済組合から「給付算定基礎額残高通知書(違う名前の場合もあります)」という圧着ハガキが届きます。名前からして難しそうで、そっと引き出しの奥へ…という方が多いのではないでしょうか。
でもこのハガキ、あなたが将来受け取るお金の「残高」が書かれた、大切なお知らせです。今回は、このハガキの正体である「年金払い退職給付」について、「そもそも何?」「いくらもらえるの?」という2つの疑問にお答えしていきます。
それでは具体的な話に移っていきます。
年金払い退職給付って何?-公務員の年金の「3階部分」です
平成27年10月、被用者年金(勤め人の方の年金)制度の一元化によって、公務員の共済年金は会社員と同じ厚生年金に統一されました。このとき、それまで共済年金に上乗せされていた「職域部分」が廃止され、その代わりとして新しく生まれたのが「年金払い退職給付」(正式名称:退職等年金給付)です。
日本の年金はよく建物にたとえられます。国民年金が1階、厚生年金が2階。年金払い退職給付は、その上に乗る公務員のための「3階部分」とイメージしてください。
ここで、ぜひ知っておいていただきたいポイントがあります。この制度の掛金は、毎月のお給料から天引きされています。給与明細を見ると、退職等年金給付の掛金の項目があるはずです。つまり、ハガキに書かれている残高は、あなたが毎月コツコツ積み立ててきた、まぎれもなく「自分のお金」なのです。それなのに中身を知らないままハガキを引き出しに眠らせてしまうのは、ちょっともったいないと思いませんか?
ハガキの見るべき場所は、たった2つだけ
「給付算定基礎額残高通知書」には細かい数字がたくさん並んでいますが、すべてを理解する必要はありません。見るべき場所は、次の2つだけです。
ひとつめは、「給付算定基礎額等合計」。これが現時点での積立残高、つまり将来受け取る年金の元手(原資)です。
ふたつめは、「年金払い退職給付加入期間」。平成27年10月の制度開始以降、あなたがどれだけこの制度に加入してきたかを示す期間です。
この2つを使うだけで、後ほどご紹介する方法でご自身の受取額の目安を知ることができます。
※本コラムは地方公務員共済組合の通知書をもとに説明しています。国家公務員のみなさんに届く通知書は名称や様式が異なりますが、「積立額」と「加入期間」を確認するという見方は同じです。
受け取り方は「原資の半分は終身受取で使い、残り半分の受け取り方は自分で選べる」
年金払い退職給付の受け取り方には、少しユニークなルールがあります。
積み立てた原資のうち、半分は必ず「終身年金」として支給されます。終身年金とは、その名の通り、生きている限りずっと受け取れる年金のことです。
そして残りの半分は、次の3つの中から自分で選ぶことができます。
①20年間の有期年金として受け取る
②10年間の有期年金として受け取る
③一時金としてまとめて受け取る
「原資の半分は終身受取で使い、残り半分の受け取り方は自分で選べる」
これがこの制度の受け取り方の基本形です。
「じゃあ、どれを選ぶのが得なの?」と気になった方も多いと思います。実はこれ、退職金の額やほかの収入、家計の状況によって答えが変わる、なかなか奥の深いテーマなのです。この「損得」の話は、あらためて別のコラムでじっくり取り上げますので、楽しみにお待ちください。
自分の場合はいくら?ハガキの数字2つで試算できます
「制度は分かった。それで、私はいくらもらえるの?」
これを自分で計算するのは大変です。そこでhacolifeでは計算ツールをご用意しました。先ほどの「給付算定基礎額等合計」と「年金払い退職給付加入期間」の2つを入力するだけで、終身年金・20年・10年・一時金それぞれの受取額の目安が分かります。
引き出しに眠っているハガキを取り出して、ぜひ一度試してみてください。「思ったより多い」「意外と少ない」どちらだったとしても、これからのライフプランを考える大切な一歩になります。
最後に:「10年の壁」と「税金の違い」
最後に2つの注意点をお伝えします。
ひとつは「10年の壁」。加入期間が10年に満たない場合、年金額の計算に使われる割合が2分の1から4分の1に下がり、受取額が大きく変わります。早期退職などを考えている方は、特に意識しておきたいポイントです。
もうひとつは「税金の違い」。同じ原資でも、一時金で受け取れば退職所得、年金で受け取れば雑所得になり、税金の扱いが変わります。退職金の額や退職後の働き方によっても有利な受け取り方は変わります。
つまり、どう受け取るのが得かは、お一人おひとり違うのです。「自分の場合はどうなんだろう?」と思われた方は、ぜひお気軽にご相談ください。ハガキ1枚から、あなたのセカンドライフの資金計画を一緒に考えていきましょう。
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投稿者について

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高校中退・元公務員・MENSA会員・着物のファイナンシャルプランナー。
1500名を超える圧倒的なコンサル経験と、理論に裏打ちされた「当たり前ではないアドバイス」を得意としている。











