第2子・第3子と立て続けに育児休業を取る場合の育児休業給付金の受給条件と注意点

育児休業給付金は育児と仕事の両立を支援する重要な制度ですが、連続して育児休業を取得する場合には、いくつかの条件や注意点があります。「2人目の育児休業でも給付金がもらえるのか?」、「連続して育休を取った場合、給付金はどうなるのか?」といった疑問を解決するために、この記事では育児休業給付金の受給条件と注意点について解説します。

1.育児休業給付金とは?

育児休業給付金は、育児休業を取得することで支給される手当です。この制度は、出産や育児による経済的な負担を軽減することを目的としており、育休中の一定期間、所得の一部が支給されます。育児休業給付金の詳細については、こちらのコラムをご覧ください。

また、具体的な産休・育休手当の金額や経済的負担額などを計算したい場合はこちらのツールをご使用ください。

2.4年遡りルールとは?

育児休業給付金をもらうためには、育休を始める前の2年間で、11日以上働いた月が12ヶ月以上あることが必要です。しかし、病気やけが、介護などのやむを得ない理由で連続して30日以上賃金を受け取れなかった期間がある場合、その期間を計算から外すことができます。これにより、通常は2年のところを、最大で4年まで遡って計算できます。これを「4年遡りルール」と言います。

さらに、育児休業中だった期間も「やむを得ない理由」に含まれるので、同じように計算から除外できます。

【例】最初の子どもの育休から戻って1年経つ前に、2人目の育休に入るとします。この場合、1人目の育休中は働いておらず賃金も受け取っていないため、通常の条件だと「11日以上働いた月が12ヶ月以上」という要件を満たせない可能性があります。
しかし、4年遡りルールを使うことで、1人目の育休に入る前の期間まで最大で4年遡って計算できます。それでも条件を満たせない場合は、残念ながら育児休業給付金を受け取ることはできません。

3.連続して育児休業を取る際の育児休業給付金の受給条件

1人目の育児休業中に2人目を妊娠した場合

1人目の育児休業中に2人目を妊娠し、そのまま2人目の産前休業・育児休業に入る場合でも、「11日以上働いた月が12ヶ月以上ある」という条件を満たせば、育児休業給付金を受け取ることができます。

このとき、「育休開始日前の2年間」の期間については、4年遡りルールを適用できます。つまり、やむを得ない理由で働けなかった期間(例えば、1人目の育休期間)を除いて、最大で過去4年間まで遡って働いた月を数えることができます。これを踏まえて、この条件で考えてみましょう。

1人目の育児休業期間の影響
1人目の育児休業を長く取っている場合や、育休に入る前に働いた日数が足りないと、育児休業給付金の条件を満たさないことがあります。たとえば、1人目の育休を2年以上取得した場合、2人目の育休で「4年遡りルール」を使っても、必要な働いた月数が足りなくなる可能性があります。

2人目の育児休業中に3人目を妊娠した場合

3回立て続けに育児休業を取る場合などには、「4年遡り」のルールを適用しても出勤日数が支給要件に足りなくなる可能性が考えられます。育児休業給付金を確実に受け取りたい場合は、1人目または2人目の育児休業後に最低1年以上の職場復帰が必要です。

4.育児休業を延長する場合の注意点

育児休業を延長する場合、以下の点に注意が必要です

育児休業給付金の支給額

育児休業期間を延長することで、育児休業給付金の支給額が変動することがあります。育児休業開始からの期間が長くなると支給額が変わる可能性があるため、事前に計画を立て確認しておくことが重要です。

育休の連続取得

育児休業を連続して取得するよりも、一度職場復帰を挟む方が育児休業給付金の受給条件を満たしやすい場合があります。

5.まとめ

育児休業給付金を受け取るには、育休の開始日や働いた日数、連続して育休を取る場合の具体的な条件を理解することが重要です。1人目、2人目、3人目と続けて育休を取得する場合でも、条件を満たせば給付金を受け取ることができますが、各ケースごとに注意すべき点があります。育休の計画や申請手続きについては、事前によく確認して適切に対応することが大切です。

※ この記事の情報は2024/6/1時点の法令等に基づき、厚生労働省ウェブサイトなどを参考に作成しています。
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